月例護摩供

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離合の鐘

人の世のすべては「離合」にあります。
生まれることが出会うことなら、死は離れ分かれてゆくことです。
けれども、私たちは別れも出会いも超えた大きな時間の中で生きることが出来ます。生まれて死ぬように、死んでまためぐり逢える世界のあること、この『離合の鐘』はそのことを教えてくれます。
撞けば必ず鳴って応えてくれる嬉しさ。そこには老若男女幼少の区別はありません。
鐘の音は消えてゆきますが、消えることは滅びることではなく、誰かの耳に聞こえ、心の中に鳴り響き沁み込んで生き続けることです。鐘の音を思い出すとき、音は優しく甦ります。
またこの鐘は韓国で造られましたが、なぜ韓国の鐘を選んだのか。それはそこに遠い新羅の時代からの豊かな造鐘の歴史と技術があるからにほかなりません。それとまた、韓国という国が過去を許し新しい和合を信じるという大きな精神を大切に思う国だからです。
相模平野随一の大梵鐘であるこの『離合の鐘』は、全長1メートル94センチ。一つ撞くことで九(苦)も四(死)も忘れることができ、新しい希望が生まれ、幸福をもたらすという祈りも込められています。
 どうぞご自由にお撞きになり、鳴り響く鐘の音と言葉を交わし合って下さい。

 

『離合の鐘 仏心歌』

                          作詞:光山樹太郎
                          作曲:山路進一
空に別れる あの雲も
いつか何処かで めぐり逢う
生まれることも 死ぬことも
おなじ時空の 中のこと
それを教えて 鐘は鳴る
鐘は鳴るから やさしくて
消えてゆくから 美しい

花が咲くよに 散るように
いつも自然に 生きること
悲しむことも 泣くことも
祈ればすべて つかの間よ
それを教えて 鐘は鳴る
鐘は撞く手を こばまない
撞けば撞くたび きっと鳴る

たった一度の 人生を
愚痴で過ごせば 無駄になる
貧富の差など なんであろ
国の違いが なんであろ
それを教えて 鐘は鳴る
鐘は離合を 微笑んで
みんな許すと ひびきあう